流れる窓

朝方、青白い光が差し込むバスに乗って家に帰る。
寒くなってきてからは、眠気以上に肌に突き刺さるような寒さがつらい。
乗客は私を含めて二人しかいない。
なんとなく、その人はこれからどこへ行くのだろうか、どこかへ行った帰りなのだろうか、とぼーっと考える。
どんな生活をしているんだろうか。
このバスを運転している人は、どこへ帰って、誰が待っているんだろうか。
眠たい頭で、どうでもいいなと思いながら、緩やかに考える。
窓の外を眺めながら、敷き詰められたたくさんの生活に少し憂鬱な気持ちになる。
知らない生活、消えそうな生活、幸せな生活、悲しい生活。
目に見えないけどきっと存在しているであろう色んなものをぼんやりと思い浮かべて、どうしようもない気分になってしまったので、窓にもたれかかって目を閉じて視界を遮断する。このまま寝過ごさないといいなと思いながら、浅い眠りに落ちる。

akari yamai

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