道民とバーベキュー

この5日間、母は神戸で帰宅難民になり、わたしは札幌で地震の被害にあった。
年に何度か、宝塚の観劇へ神戸に向かう母。
今回はエリザベートのチケットがまさかの当選。やばい台風が来るから無理だと止める家族を振り切り、神戸へ上陸。翌日の観劇日、やはりJRも運休を決め、それなら阪急電車が動けるうちにと西宮北口から6時台の電車で宝塚へ。
よりにもよって台風の日に、強風に負けずよくも不慣れな土地を歩き回れるものだと感心した。(しかも早朝から)
案の定、母の観た公演は午後から休演になり、阪急電車もいよいよ運休を決め、5時間ほど大劇場に取り残されたあげく、帰りのひこうきも運休となった母はとうとう帰宅難民になった。
そして、母が神戸に取り残された翌日、わたしの家は大きな地震に見舞われた。
夜中の3時、大きく揺れたベッドサイドのラック、台所から聞こえる食器の当たる音、近所迷惑になると咄嗟に止めた地震速報のアラーム。
台所を片付けていたらゆっくりと視界が暗転した。停電くらいすぐに復旧すると思っていたし起きていても何も出来ないし二度寝でもしようと思っていた矢先、神戸にいる母から何度も着信が入っている事に気がつき、ただ事じゃない地震なのだと目が覚めた。
この停電で地下鉄も市電も動かなくなり、まるまる2日以上復旧しない家もあった。
カーテンをめくって外を見ると、見たことのない真っ暗闇。下の方で小さな灯りが忙しなく動いているのを見て、急いで身の回りを整理した。
幸いにも、自宅や家族に被害はなく、実家近くでは食材がダメになる前にと急いでバーベキューをしている家もあった。市内各地で見られた光景だけれど、不謹慎だとツイッターでめちゃめちゃに叩かれてしまっている。
たしかに、少し離れたところでは液状化が起きたりしてとても気の毒だとは思う。けど、大きな被災地に冷凍庫のジンギスカンを届けることは出来ないし、気の毒だね、大変だね、と家の中で悲しみにくれてジンギスカンを腐らせるよりも、自分たちのお腹を満たして、しかも通りすがりの私にちょっと寄っていかないかい?って明るく声を掛けてくれたりなんかして、そんなお気楽な雰囲気に気持ちがだいぶほっとした。
母然り、バーベキュー家族然り、バーベキューにちゃっかり入れてもらった私も、これが道民気質というものだろうか。
余震は毎日続いています。のんびりとした日常の中に少し危機感のエッセンスが加わりました。

やぎ座

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